アトピーチ

アトピー性皮膚炎ってナニ? なりやすい人って?

1. アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎というのは、簡単に言うと「繰り返す 痒(痒み)のある湿疹」のことです。この痣や痒みは、皮膚症状が悪くなったり、比較的よくなったりを繰り返します。現在でも、根本的な原因はよくわかっていません。刺激等に対する、からだ(皮膚)の過剰反応と考えられています。

分からないといっても、アトピーの人に共通する「体質」(素因)というものはある程度分かってきています。簡単に言うとアトピーになりやすい人はこんな条件を持っていることが多いですよ、という意味です。

アトピーになりやすい体質(素因)

家族にぜんそく(気管支喘息)の人がいる

家族にアレルギー性鼻炎・結膜炎の人がいる

家族にアトピーになっている人がいる、アトピーの人がいた

自身も上のどれか、または複数の病気になったことがある。

・アレルギーの際に身体で作られる、反応物質が非常に多い。(この反応物質のことを難しい言い方でIgE抗体と言います)

 

上に書いてある体質に、さらに痒みが出て皮膚をひっかくことでよりその症状が強くなる(IgE抗体・反応物質がより多く体の中で作られることになってしまう)。かけばかくほどもっとカユクなる!というタイプの方はアトピーと診断された方の70%~80%と言われています。

 

アトピーの人の皮膚や肌の中では何が起こっているの!?

一言でいうと「炎症」が起こっています。その結果出てくる症状としては「発疹」( 赤み、細かいブツブツ、小さな水疱、膿、じくじくなどの症状)が出てきます。症状は、様々な皮膚症状が混ざって出てきます。

 

アトピーの治療や症状の抑え方について

アトピーは様々な要因が重なり合って発症します。そのため、各アトピーの人の病状や状態によって対処方法が変わってきます。医師と相談しながら根気よく対処していくことが大切です。

基本的な考え方については下記の2点です。

1)原因・悪化因子の検索と対策
アトピーの原因やきっかけの例(個人によって異なります):強いストレス、慢性的なストレス、住んでいる地域や家の環境、温度、発汗、肌への物理的刺激(衣類 服の材料ウール等、形状等)、細菌や真菌(カビ)、ダニ、食べ物、酒アルコールなど。症状を悪化させる要因の予想ができれば、避けることで肌の状態を現在より改善できる可能性があります。

特にひっかく原因となる「痒み」がでてくることに強く関係するのは次の3つです。

【痒みを誘発することがら】
・温度や発汗→96%
・衣類(ウールなど)の刺激→91%
・精神的なストレス→81%

強く痒みが出る際に上記の心当たりがあれば、避ける または調整すると肌の状況が改善する可能性があります。

2)スキンケア
ずばり「肌の清潔」を保つこと「肌の保湿」が重要です。

【皮膚を清潔清潔に保つこと】
毎日の入浴・シャワー
・ 汗や肌の汚れはすぐに落とす(強くこすらないように気を付けましょう)
・シャンプーやせっけんは刺激が強すぎる・洗浄力がありすぎるものは避ける。洗った後はしっかり流しましょう

【皮膚の保湿】
保湿剤
・入浴・シャワー後は必要に応じて体に合った保湿剤を塗布する

その他
・室内を綺麗にし、適温・適湿を保つ
・皮膚への刺激を避ける
∟爪を短く切る、寝る時に無意識にひっかくことを予想して手袋や包帯を巻く等)

 

上記以外の対処法についてはあとは、医師や専門医が処方する薬となります。
症状がひどい時には必ず医師・専門医に相談するようにしましょう。

 

執筆者:山咲 隼
1980年代生まれで医学医食研究家。大卒。食べ物に関する研究サイト腎臓に良い食べ物・食べ物の黄金律 など執筆・管理経験あり。健康寿命増進を目指し、食事・健康維持のための研究、多くの文献を参考。また、受動喫煙における健康影響の研究のため長期にわたり実験中。